大阪市北区の老舗材木店。木材を知る大阪の材木屋が素材の素晴らしさを最大限に引き出します。

国産材と無垢材への熱い思い

「無垢の国産材」めっきり身近な存在になってきました。環境意識の向上や外国産材の高騰などいろいろな理由もありますが、永続的に利用できるような循環型社会に成熟させるにはこれからが正念場であって、単なる一時的なブームで終わらないことを切に願います。

国産材

国産材の利用は効率的な資源の有効活用、気候や風土にあった家づくり、地域経済の活性化などがあげられています。確かに輸送コストも抑えられ、私達と同じように春夏秋冬を経験してきた材は自然とたくましく頼もしい存在であり、林業を中心とした裾野の広い産業を活性化させるかもしれません。

これらは一見すると良い事ずくめのように思えますが、実際はそれほど単純なものでもありません。これまで外国産材が台頭していたのには、人件費・加工費をはじめとした輸送以外のコストが圧倒的に安く、品質の安定した材が安定供給できたこと。国産材の品質においても戦後の植林事業後に整備し続けられた山林は限られ、ほとんどが林業の衰退とともに管理がなされていない放置林と呼ばれる荒れた植林地になって います。

本来ならば、適切に枝打ちもされず節だらけのいわば値打ちのない材を間伐材として先に有効利用しなけらばなりません。その上で柱などの構造材に使える木を育てて行く必要があるのですが、昨今のブームに便乗し、皆伐した後何もせずに放置している新しいタイプの放置林が急増しているのも事実です。

無垢材

合板や集成でない天然の木材。たまに拡大解釈され、「表面材と下地材の無垢板を重ね合わせた無垢フローリング」なる不思議な商品があります。合板を重ねるのがNGで無垢板を重ねるのはOKとの解釈ですが、材木屋基準では本来の無垢板=無垢床材ではありません。一般的に私たちは無垢フローリングと言えば一枚物の床板を言います。

同じように無垢ドアと言うと一枚板から切り抜くことは難しいので、一枚板を組み合わせたものまでを言います。貼り合わせたり重ね合わせたものは言いません。

基準がないので「何を無垢材と呼ぶのか」微妙に難しいのが現実ですが、材木屋基準では無垢材を重ね合わせた「ハイブリッド無垢材」はハイブリッドの段階で集成材だと思っています。

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